2018.03.29 Thursday
2018.03.28 Wednesday
「カレンダーぬり絵&ものがたり」審査・選考結果発表!
昨年末、豊能障害者労働センターの独自企画で、ぬり絵とものがたりを公募したところ、全国からたくさんのご応募をいただきました。イラストレーターの松井しのぶさん、カレンダーの表紙と各ページのことば担当の牧口いちじさん、カレンダー製作担当スタッフが集まり、ぬり絵86点、ものがたり23点の中から審査・選考を行いました。
ぬり絵・ものがたりとも力作ぞろいで選考は非常に悩ましく、ぬり絵部門は松井しのぶさんのリクエストで「特別賞」が追加されました。
ものがたりの各受賞作品は下のリンクから
ぬり絵の各受賞作品はこの記事からご覧いただけます。
【ものがたり部門】
牧口いちじ賞 竹内さつき(たけうち さつき)様 (鳥取県・28歳)
未来への夢賞 内村慎史(うちむら しんじ)様 (静岡県・51歳)
未来への夢賞 前田嵩(まえだ しゅう)様(新潟県・11歳)
【ぬり絵部門】
松井しのぶ賞 橋本 真平(はしもと しんぺい)様(岡山県・7歳)
葉っぱの中にいろいろな模様をかいたり、
たくさんの色を使って楽しみながらぬってくださったことが伝わってくる作品です。
松井しのぶさんが絶賛でした!
【ぬり絵部門】
心の天然色賞 永野 吹(ながの ふき)様(兵庫県・6歳)
力強いタッチでぬられた赤いバックが斬新です。
カレンダーの印刷を担当している朝倉さんのイチオシでした。
その赤と対比するようにあざやかな線でぬられた葉っぱ、元気いっぱいの活きいきしたぬり絵をありがとう!
【ぬり絵部門】
心の天然色賞 黒川 美穂子(くろかわ みほこ)様(神奈川県・52歳)
ていねいなグランデーションで花びらや葉っぱの立体感がとてもよく表現され、
ピックとニックの服装もオシャレ。
奥行きと空気の層が感じられ、やさしい気持ちが伝わってきました。
【ぬり絵部門】
特別賞 中谷 乃愛(なかたに のあ)様(愛媛県・7歳)
選考会場で松井しのぶさんが「う〜ん、これも入れたい!」と釘づけになっておられた作品で、
当初予定していた3つの賞に加えて「特別賞」を急きょ設けました。
いろいろな色がていねいにぬり重ねられ思わず、じぃ〜っと見入ってしまいます。
厚みのある深い色あいで不思議な世界が生まれました。
2018.03.28 Wednesday
【ものがたり部門】牧口いちじ賞 竹内さつき様作品
『ピックとニックと小鳥ちゃん』
これは、小さな 小さな小鳥が、ひとりで空を飛べるようになるまでの、短いようで長い、長いようで短いお話です。
ある日、ピックとニックがいつものお花畑で遊んでいると、ピックを背に乗せて一緒に遊んでいた、大きな青い鳥が言いました。
「ちょっと困ったことがあるんだけど、聞いてくれるかい。」
ピックとニックは、
「もちろん。」
とうなずきました。
「そこのかわいい かわいい小鳥ちゃんのことなんだ。」
ピックとニックはまわりをきょろきょろと見回して、やっとのことで、大きな花のかげにかくれるようにして、ちょこんと止まっている小鳥を見つけました。青い鳥は続けます。
「そろそろわたしのように飛べてもいい頃なんだけど、一向に飛べないんだ。むしろ、空を飛ぼうとしないんだ。わたしが教えてもてんでダメで、ピックとニックならこの子が空を飛べるようになる、いい方法を知っているんじゃないかと思って、連れてきたんだ。ちょっとの間、この子と一緒に過ごしてやってくれないかな。」
これまでいろんなところを旅しながら、多くのことを知ってきたピックとニックです。
「もちろんだよ。おやすい御用さ。」と言って、この小鳥を少しの間、あずかることにしました。
小鳥をあずかって最初の夜のことです。
小鳥は、背の高いニックのそばにぴったりとくっついて離れません。慣れないところに急に連れてこられた小鳥は、すっかりおびえて、一言も口をききませんし、眠れないようです。
眠れない夜はどうしたらよいのでしょう?
ピックが言いました。
「眠れないなら、無理に眠らなくたっていいじゃないか。ねえ、僕たちがこの間行った、くらげ星雲のおねえさん達のところで楽しいお話を聞かせてもらおうじゃないか。」
ニックもにっこりとうなずきました。
そうして、ピックとニックはあっという間に夜空を飛んで、飛べない小鳥と一緒にふたご座の足もとに広がる、くらげ星雲へとやってきました。くらげ星雲のおねえさん達は、ゆーらゆらとまるで海の中を泳ぐように、気持ちよさそうに夜空を漂っています。おねえさん達はいろいろなお話を知っていました。時間が経つのをすっかり忘れて、二人と一羽の小鳥は熱心にお話に耳を傾けました。
夜が明けようとしていました。眠れなかった小鳥はいつの間にか、三日月さまと一緒に星空のお花畑で、すやすやと眠っていました。
ピックとニックは微笑んで、
「さあ、このかわいい小鳥ちゃんはどうしたら飛べるようになるのかな。」
と相談しあいました。一緒に相談にのってくれたのは、物知りのクジラ座のおじいさんです。
「やあやあ、これはピックとニックじゃないか、久しぶりじゃのう。もうすぐ夜が明ける。わしは消えてしまうが、消える前にお困りのことがあったらなんでも聞くぞ。」
ピックとニックは、飛べない小鳥のことを話しました。
「それなら、北の森の奥深くのモミの木に頼んでみたらどうじゃ。わしも若い頃には何度も助けてもらったもんじゃ。」
ピックとニックが、
「ありがとう!クジラ座のおじいさん!」
と言うと、あっという間に夜が明けて、クジラ座のおじいさんも、きれいな星空のお花畑も、そして三日月さまも朝日のなかに消えてしまいました。夜空のみんなから、
「お元気で。また会えるのを楽しみにしているよ。」
と見送られ、二人と一羽の小鳥は北の森へと向かいました。
ピックとニックは、教えてもらった通り、北の森の奥深くにやってきました。二人にとって、ここははじめての場所、見たこともない植物がいっぱいで、どの木がクジラ座のおじいさんの言っていたモミの木かわかりません。
その時、ニックのひざの上で目を覚ました小鳥がはじめて口を聞きました。
「ここ、前にいたところだよ。」
ピックとニックはびっくりしました。なぜって、これまで世界中のいろいろなところを旅してきた二人がはじめて来た場所を、この飛べない小鳥が知っていたからです。
ニックが聞きました。
「この森の中に、頼みごとを聞いてくれるモミの木があるそうなんだけど、君は知っているかい。」
小鳥はすぐに答えました。
「よく知っているよ。だって、そのモミの木にある巣で生まれたんだもの。」
この北の森の奥深くは、なんと小鳥の生まれ故郷だったのです。ピックが言いました。
「じゃあ、君が生まれたっていうモミの木まで案内してくれるかい。」
「すぐそこだよ。」
と小鳥は言って、ピックとニックを森の中でもひときわ大きなモミの木まで案内してくれました。小鳥はその木に声をかけます。
「ただいま。飛べないまま帰って来たよ。」
すると、モミの木が話し始めました。
「はじめまして、ピックに、ニックね。小鳥ちゃん、はじめての旅はどうだったのかしら。飛べないままと言ったけど、そう思っているのはあなただけかもしれないわよ。」
小鳥は、
「だって飛びたくないよ。ずっとここにいるよ。」
と寂しそうに答えました。モミの木は言います。
「ピックとニックに聞いてほしいことがあるの。実は、この子をあなた達にあずけようと思ったのはわたしなの。この子はお父さんもお母さんも亡くして、周りの鳥たちが世話をしていたんだけど、どうしてもこの巣を離れようとしなくてね。そろそろ季節も変わる頃で、ここにずっといては、厳しい寒さに耐えられなくて死んでしまうと思ったの。それで、なんとか他の鳥たちと同じように飛べるようになって、ここから旅立ってほしかったの。」
モミの木の話を聞いて、ピックは、いつも自分が元気を出したいときに吹く笛を取り出して、演奏を始めました。ニックは笛に合わせて歌います。
♪かわいい かわいい 小鳥ちゃん
つらい過去はなくならない
でも未来は必ずやってくる
ここが君の新しい出発の地さ♪
モミの木も、二人の曲に合わせて、この森の珍しい花をたくさん降らせてくれました。
小鳥は新しい門出を祝ってもらっているように感じました。そして、自分が飛べるようになることで、ほんとうの旅が始まること、未来がやってくることに気づき、はじめて羽を小さくふるわせたのです。
さあ、ピックとニックと小鳥が再び旅に出て間もなく、春を運んでくる風の吹くところへやってきました。風と一緒に草花は気持ちよさそうにゆられ、ちょうちょう達も楽しそうに飛んでいます。
思わずピックも風に吹かれて、ふわりと空へ舞い上がりました。
「さあ小鳥ちゃん、僕と一緒においでよ。このちょうちょう達のように空を飛んでみようよ。」
小鳥は「飛ぼう」と思うのですが、どうしてもすくんでしまって、飛び立つことができません。ニックは優しく見守ります。
「大丈夫だよ、小鳥ちゃん。今の君には、飛ぼうという気持ちがある。だから、大丈夫だよ。」
ピックとニックは広い原っぱに立っていました。小鳥はあれから何度も何度も練習して、少しずつ飛べるようになっていました。でもひとりで遠くへ行くことはできません。いつもピックとニックがそばについていて、少しだけ飛べるのです。
ピックとニックは、「もう大丈夫だよね。」とお互いの顔を見合わせて、原っぱに呼びかけました。
「この小鳥ちゃんのために力を貸してくれないかい。小鳥ちゃんがひとりで旅立てるように、途中まで見守り役をつけてほしいんだ。」
原っぱは、
「もちろんだとも。この小鳥ちゃんのがんばりは、みんなが知っているからね。」
と言いました。そして、大地からいっせいに新芽を芽吹かせたのです。この新芽たちもこれから世界中へと旅立ちます。小鳥は、
「ピックとニック、今まで一緒に旅をしてくれてありがとう。これからはこの新芽たちといろいろなところを旅してくるよ。また会う日までお元気で。」
と言って、二人がリボンを結んでおいた新芽とともに勢いよく飛び立ちました。
「こちらこそありがとう、小鳥ちゃん。君のおかげで楽しい旅がたくさんできたよ。僕たちは君の帰りをいつでも待っているよ。旅のお話を聞かせてね。」
ピックとニックはそう言って、小鳥が見えなくなるまでずーっとその姿を見送っていました。
2018.03.28 Wednesday
【ものがたり部門】未来への夢賞 内村慎史様作品
『どこかへ でかけよう』
<風が吹く>
どこかへ行きたくなったら、風のつよい日にしよう。
わくわくや不安と一緒に、風の吹くまま、身をまかせよう。
「どこへ行くのかな」
「どこまでも行けそうだよ」
<花の国>
思い切り遊びたいときは、花の国へ。
甘い香りと色とりどりの花がいっぱい。まるでお祭りみたい。
「うきうきしてくるね」
「花のじゅうたん、とってもやわらか」
<水の国>
悲しい時は、水の国へ。
水の中は、涙を流してもわからない。
かちんこちんの身体も心も、無重力。
「身体の力が抜けていくよ」
「心がだんだん静かになるよ」
<陽だまりの国>
のんびりしたいときは、陽だまりの国へ。
時間がゆっくり流れていく。時計なんていらないよ。
「ぽかぽかしてあたたかいね」
「なんだか眠くなりそう」
<夜の国>
一人になりたいときは、夜の国へ。
さみしいわけじゃない。でも、今夜は、自分と話をしてみよう。
しーんとしている空気に、心の中のつぶやきが聞こえてくる。
「今日も一日、いろいろあったね」
「大切なこと、思い出そう」
<大地から旅立つ>
なつかしい場所に帰ってきたら、たくさんの若葉が出かける準備をしていたよ。
「今度は君たちが旅立つ番だね」
「どこへ行くのかな」
また、どこかで会えるよね、きっと。
2018.03.28 Wednesday
【ものがたり部門】未来への夢賞 前田嵩様作品
『奇跡のつぼみ』
時代は、二十四世紀の地球。開拓されて、地球上には、ほぼ緑が無くなった状態だった。
その地球で、残り少ない緑のある場所、そこで、いつものように、ひろしくんが空を見上げていると、
空飛ぶクジラに乗って、おばあさんが飛んできました。
そこで、おばあさんから、「地球上にもっと緑を増やさないか」と聞かれました。
そして、ひろしくんは、「いいよ」と言いました。
それで、おばあさんと一緒に、緑を増やすために旅に出ました。
おばあさんが言うには、奇跡のつぼみを見付ければ、緑が増えるらしいのです。
最初は、森に行きました。ここも、地球上に緑が残された場所の一つです。
そこには、森の守護神フォレストがいました。
フォレストが言うには、湖をこえて、第二の森に行けば、奇跡のつぼみがあるらしいのです。
湖の中には、森を開拓しようとクラゲロボットがいました。
そのロボットに乗って、その湖を越えました。けれども、その湖を出た時、クラゲロボットが襲ってきました。
森の守護神フォレストが守ってくれました。
そこで、疲れたので休んでいました。
そしたら、木の妖精グリーンバードがやってきて、奇跡のつぼみを渡してくれました。
そして、ひろしくんたちは、その奇跡のつぼみを植えました。
すると、奇跡のつぼみから、たくさんつぼみが飛び出してきました。
そして、二十四世紀の地球は、いつまでもいつまでも緑あふれる星になったのでした。
2018.03.27 Tuesday
受賞作品掲載スケジュールについて
2018.01.19 Friday
ぬり絵応募作品その85
2018.01.18 Thursday
ぬり絵応募作品その84
2018.01.18 Thursday
ぬり絵応募作品その83
2018.01.18 Thursday
ぬり絵応募作品その82
2018.01.18 Thursday